vol.34 BX高耐力たる木ビスを詳細計算法で使用する方法 

 BX高耐力たる木ビスが「木造軸組工法住宅の許容応力度設計(2017年版)①」(以下、グレー本)に記載の垂木工法勾配屋根水平構面の詳細計算法で計算できるようになりました。
 これまでは評価書に記載の仕様でしか設計できませんでしたが、2025年6月にBXカネシンのHPで公開された「BX高耐力たる木ビス-詳細計算法による床倍率算定例-」を参照することで、詳細計算法により評価外の使い方でも水平構面の耐力を算出できます。

評価書で定められたBX高耐力たる木ビスの合板割付例(イモ張り)
詳細計算法により評価外の合板割付が可能になります。

根太-梁及び垂木-軒桁接合部のせん断耐力を算定するための試験

なぜ詳細計算法で水平構面の耐力を計算できるようになったのかというと、「根太-梁及び垂木-軒桁接合部のせん断耐力を算定するための試験」により以下の各値を得られたからです。

<垂木直交方向>
・kj:垂木端部接合部の垂木直交方向のせん断剛性
・δjv:垂木接合部の垂木直交方向の降伏変位
・δju:垂木接合部の垂木直交方向の終局変位

<垂木軸方向>
・kx:垂木端部接合部の垂木軸方向のせん断剛性
・δxv:垂木接合部の垂木軸方向の降伏変位
・δxu:垂木接合部の垂木軸方向の終局変位

これらの諸元は垂木端部接合部の荷重変形関係を完全弾塑性関係にした際に得られ、下図のような関係になります。

垂木端部接合部の垂木直交方向の完全弾塑性関係グラフ

なお、試験体の条件は下記となっています。
・BX高耐力たる木ビス:KTB-150 (ビス長さ150mm)
・垂木:幅38mm、梁せい89mm (スギKD)
・横架材:幅105mm、梁せい105mm (スギKD)

BX高耐力たる木ビスを用いた構面の床倍率の評価書(HP評価(木) -20-020-2)では垂木の最小幅を45mmとしています。

今回の詳細計算法用の試験では、もともと詳細計算法自体がハウスプラス確認検査(株)の評価外となるため、なるべく使用材料の幅を広げられるように垂木の断面を38mm×89mmとしました。

詳細な試験条件や試験結果は「BX高耐力たる木ビス-詳細計算法による床倍率算定例-」を参照ください。


詳細計算法による床倍率

BX高耐力たる木ビスによる詳細計算法で水平構面の床倍率を算定しようとすると、垂木ピッチなどの諸条件にもよりますが、おおよそ0.6~1.5倍の床倍率になります。
評価書による床倍率は最大2.2倍を確保できるので、計算運用(詳細計算法)と実験運用(評価書)の違いが際立つ結果となりました。

上述の詳細計算法による床倍率の数値はあくまで参考値ですが、「BX高耐力たる木ビス-詳細計算法による床倍率算定例-」に垂木ピッチごとに記載しています。気になる方はぜひダウンロードしてみてください。

❸おわりに

最後に「BX高耐力たる木ビス-詳細計算法による床倍率算定例-」のダウンロード先ですがBXカネシンのホームページでユーザー登録していただきますと、BX高耐力たる木ビスの製品ページ下部にある「マニュアル・設計ツールダウンロード」から「BX高耐力たる木ビス-詳細計算法による床倍率算定例-」のダウンロードページに移動できます。

BX高耐力たる木ビス製品ページ下部の資料欄

床倍率は評価書による倍率の方が高くなりますが、詳細計算法を用いれば評価外の設計が可能になります。例えば評価書上は面材をイモ張りにしなければならないところが、詳細計算法により面材を千鳥張りで屋根構面を構成できます。

もし屋根面で部分的に評価外の範囲が出てきてしまう場合は詳細計算法を検討してみてはいかがでしょうか。

詳細計算法やBX高耐力たる木ビスなどについて、ご不明な点がありましたら、構造金物相談所までご相談ください。
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