case08 プレセッターSUを用いた小庇の設計例

一般住宅だと構造的に不明瞭になりがちな小庇についてプレセッターSUの曲げ試験結果を元に検討してみます。

目次
  1. 設計方針
  2. 検討結果
  3. おわりに

1. 設計方針

下の軸組図の様な柱の途中にプレセッターSUの梁受け金物を使って勝手口などの小庇を構造検討していきます。設計方針は以下の通りです。

・等分布荷重と集中荷重が混在していますが、ここでは簡易に等分布荷重が生じるとして検討します。

・屋根なのでたわみの検討は不要ですが、長期荷重に対してたわみの検討をします。

・たわみには柱の曲げ剛性も影響するため、柱の影響も加味して検討します。

・1Pピッチで2本並ぶ柱に対してそれぞれ庇が跳ねだしている場合を想定します。

・軒先の梁の断面欠損は影響些少として考慮しないで検討します。

・プレセッターSUの曲げ性能値はBXカネシンの社内試験結果を参照します。

2. 検討結果

以下に検討結果をまとめて示します。

今回たわみの検討をしていますが、垂木と梁の先端が適切に接合されていればトラス効果が生じる事や、小庇程度の荷重条件では仕上げも荷重負担してしまう事を考えると、実際には応力検討だけして、たわみの検討を省略するという考え方もあり得ます。

尚、今回の設計例では小庇端部の曲げモーメントを梁受け金物で柱に伝達させて柱の曲げで抵抗していますが、小庇を大梁で受ける際は大梁にねじり方向の抵抗が必要になります。梁のねじり抵抗は意外と大変なので、小庇と柱のセットで使う方が良さそうです。

なお、柱をパイプ金物で接合する場合は小庇の梁受け金物のボルトと干渉しないように、取り付け高さにご注意ください。

3. おわりに

プレセッターSUは通常は梁端部をピン接合とみなして設計します。確かにモーメント抵抗接合というほどではない微細な曲げ耐力性能ですが、小庇程度であればプレセッターSUで構成できることを確認しました。

社内試験データも上手に活用することで設計の幅を広げることが可能です。

今回紹介した設計例の補足資料や社内試験については個別のお問い合わせください。

今回は木造で曲げ性能を利用した接合部設計例を紹介しましたが、木造で曲げ抵抗(ラーメン)を使う際には慎重にご検討ください。基本的には鉄骨造やRC造の様な曲げ性能伝達の接合部は木造では難しいです。設計方法についての詳細が知りたい方は『木質構造接合部設計マニュアル、日本建築学会、2009年』に引きボルト、LSB、GIRなどの接合具を使った接合部の説明が記載されておりますので、ご参照ください。

Keyphrase:#庇 #片持ち梁 #モーメント抵抗
コラムで使用した製品:プレセッターSU

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