「非住宅木造になると、住宅に比べてせん断用アンカーボルトの数量が多い!」と思ったことはありませんか?建物規模が大きくなることに加えて、耐力壁が高倍率になると、一つの耐力壁が負担するせん断力が大きくなり、アンカーボルト本数も増えがちです。
今回は、アンカーボルトの箇所数を最小限にして精度管理の手間を抑えるため、高強度アンカーボルトである、高耐力フレックスアンカーボルトでの設計例を紹介します。

目次
- 設計方針
- 検討結果
- まとめ
1. 設計方針
高耐力フレックスアンカーボルト(呼び径M16、強度区分6.8)と比較するために、通常のM16とM12アンカーボルト(強度区分4.6,4.8)の降伏耐力を算出します。
強度区分6.8のF値について、JISと通称黄色本で異なりますが、ここでは黄色本の値を採用します。 アンカーボルトの計算は、グレー本の方法に準拠して計算します。その際、アンカーボルト径はグレー本同様に呼び径を採用し、また、短期許容せん断耐力も終局せん断耐力÷1.5ではなく、降伏耐力Pyを短期許容せん断耐力に採用します。
2. 検討結果
以下の表に降伏耐力の比較結果を示します。

高耐力フレックスアンカーボルトを使うと、通常のM16アンカーボルトに比べて本数を2~3割程度、M12アンカーボルトに比べて2.5倍程度減らせることがわかります。
3. まとめ
実際にアンカーボルトを配置する場合、耐力壁の間柱欠きやホールダウン穴からの端距離まで確保しようとすると、アンカーボルトが配置しきれないケースがあります。
ただ、土台のせん断抵抗の実態として、
①設計応力には余裕があり、また、実際には摩擦抵抗が上屋の地震力程度
(摩擦係数から考えると)はあること
②アンカーボルト穴がルーズで足し合わせ耐力が成立しにくいが見ていること
③土台勝ち以外の柱勝ち等の納まりが混在すると、そちらの荷重負担もあること
④パッキンを介してアンカーのせん断力確保の納まりが多いこと
⑤計算式がかなり簡易的であること
等、他にも多く疑問がありますが、工学的判断に基づき、細かな配慮をしなくてもよいのかもしれません。
コラムで使用した製品:高耐力フレックスアンカーボルト
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