case20 MPねじ接合システムを用いたトラスの変形量の検討~キングポストトラス編~


MPねじ接合システムを使用する際に「たわみをどのように検討すればよいか分からない」や「他の接合方法を用いた木造トラスだと変形が大きくなるって聞いたことがあるけど、MPねじ接合を使っても同じですか?」など、疑問に思ったり、色々と悩んだ経験のある方は多いのではないでしょうか。
今回は、MPねじ接合システムを用いたキングポストトラスについて、実際にモデルを作成し、変形に大きく影響する接合条件を変えてたわみを算出し、比較・検討をしてみました。

目次
  1. 設計方針
  2. 検討結果
  3. 解析結果
  4. まとめ

1. はじめに

一般的に、木造のトラスは、木材のめりこみや金物の支圧などによって接合部が変形するため、簡易的なトラスの検討方法では、変形量が実際より小さくなってしまうとされています。
例えば、木造中大規模プレカット技術協会(PWA)のトラスマニュアルでは、簡易的なトラスのモデルで(接合部をピンとして)算出した変形量を2.5倍して、たわみ量の検討をしています。

MPねじ接合システムのマニュアルには、全体架構の変形増大についての記載はありませんが、MPねじ接合システムを用いた接合箇所については、剛性を入力し、その他の箇所は設計者が定めることとしています。

今回のコラムでは、①接合部をピンとしたモデル、②MPねじ接合システムのみに軸剛性を持たせたモデル、③全ての接合部に軸剛性を持たせたモデルの3仕様について、弾塑性解析ソフトSNAPを用いて解析を行い、結果を比較します。

2. 設計条件

下図のような、スパン10.01mのキングポストトラスを想定して、モデル化します。

荷重条件:固定荷重 700N/㎡ (自重は自動計算のため含まず)
     積載荷重 400N/㎡
     トラス間隔 1.82m
     →等分布荷重として、2.1kN/mを入力

解析モデルと考慮する接合部の剛性は、以下の図の通りです。 

接合部剛性に関しては、A:MPねじ接合システム(NJ-14)の剛性、B:ロールパイプの剛性、C:束材側面のめりこみ剛性とプレセッターSUのせん断剛性を入力します。

3. 解析結果

解析結果を以下に示す。

中央部のたわみは、①5.6mm、②10.9mm、③12.8mmとなり、③を基準にすると変形増大係数は、①2.29、②1.17となることが確認できました。

4. まとめ

木造トラスに限った話ではありませんが、物件ごとに個別に検討する必要があるような架構は、設計者の考え方に基づき、安全性を検討すると思います。より詳細な検討やモデル化することは実情に近くなると思いますが、手間や時間がかかります。

今回検討したトラスの例や他の書籍などを参照し、全てをピン接合としたトラスのモデルで算出したたわみ量を2.5倍して変形量の検討を行うことが安全側だと判断できれば、詳細な検討を省略することも可能になると思います。
上記検討方法は一例ではありますが、どのような方法で検討するにしても、設計方針などに分かりやすく記載することを忘れないでください。

コラムで使用した製品:MPねじ接合システム

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