建築基準法の大きな改正が2025年4月に施行されました。
木造建築の多数を占める戸建て住宅は、建築士の設計責任のもと、確認審査は設計図書のチェックが省略されてきました。
この法改正では、2階建て住宅や200㎡を超える平屋でも、確認審査で今まで義務のなかった図書提出が義務付けられるようになりました。
今回は、意匠設計者が普段審査を依頼する審査機関の担当さんと、法改正による提出図書について話す場面です。

登場人物
建方(たてかた)氏:意匠設計者。木造住宅を中心に設計を行っている。通常は旧4号特例申請や木造3階建ての申請図書を作成してきた。
新見(にいみ)氏:審査機関の検査員。構造関連の審査担当として質疑書を作成して申請者への対応をするスタッフ

新見さん、いつも木造3階建て住宅の申請の時はお世話になっております。木3の計算書と図面をお願いしている、もくもく構造の林田さんも感謝していますよ。
ありがとうございます。林田さんも建方さんも、図面をしっかり合わせて作成してくださっているのがよくわかります。
ところで、今回の法改正では旧4号(図書省略)の範囲が平屋200㎡以下に縮小されたので、2階建て住宅は構造審査図書が必要になりましよね。来月、私も審査してもらう案件があるので、必要な図書について聞いておきたいと思って、事前相談させてもらいました。
そうですね。具体的には国交省のHPなどから”2階建ての木造一戸建て住宅(軸組構法)等の確認審査・審査マニュアル”をダウンロードして手元に置くことをお勧めしています。
今まで省略していましたが、申請に付けていただいているのは、ざっというと1_壁量・バランス検討書 2_N値検討書 3_柱の小径 4_仕様表 5_構造標準図になりますね。
結構ありますね。これは、私でできるかな?
建方さんが図面作成に使っているCADツールに、オプションで機能が追加できるかもしれませんよ。最初は構造屋さんに助けてもらってもよいかもしれませんね。
最初の壁量・バランス検討は、いわゆる壁量係数で必要壁量が設計壁量を満足している検定ですよね。バランスは四分割法のことかな。

そうです、今回の法改正では、いわゆる性能表示で使っていた準耐力壁なんかがカウントできるようになりました。ただ、壁量係数(以前は軽い屋根、重い屋根)だけで決められたものが、省エネ断熱や屋根の種類が増えたこと、階高さが変化してきたことにより、壁量を仕様に応じて自分で算出するようになりました。
説明会でやっていたよ、日本住宅・木材技術センター(HOWTEC)でダウンロードするエクセルで壁量を出すんだよね。
そうです!さすが建方さん。
N値検討書は、ちょっと難しいな。これは、さっきのマニュアルにも説明があったけど、構造設計の林田さんに相談してみるよ。
そうですね、7倍壁まで使えるようになって、接合金物も安全側に配置しておく必要がありますので、そのほうが良いかもしれません。

柱の小径は、できれば105㎜角にしておきたいけど、さっきのエクセルでもチェックできるよね。
そうです。ただし、吹き抜けなどの周辺は、柱長さが2層分となる箇所があるので入力時に気を付けてくださいね。
それと、仕様表はどんなことを書けばよいの?
これもマニュアルの参考例を見るのが分かりやすいですが、柱梁材の使用樹種や柱の有効細長比、床合板・土台の固定方法などの記載ですかね。3階建てのように伏図まではいらないですが、仕様を書いてもらっています。
なるほど、構造に関する仕様書的なものだね。最後の構造詳細図も同じようなものですね。
これは、標準図のようなものですね。基礎の標準的な断面と配筋、耐力壁の標準図、接合部の標準図です。
マニュアルを参考に作成される方もいますし、中大規模プレカット技術協会さんの仕様書を活用される方もいらっしゃいますね。接合部は金物メーカーも標準図を用意しているところもありますね。
案件に合わせて標準図を整理されるとよいですよ。


そうか、うちの事務所の特記仕様書に構造標準図も合わせるようにしますよ。ざくっと、分かってきました。前もって相談させてもらってよかったです。これからもよろしくお願いします。
全体的に審査案件が増えてきて、混んでいますが頑張りますので、ご協力よろしくお願いします。
まとめ
2026年3月末で法改正の猶予期間が終わり、全ての建築で改正後の建築基準法に適合させる必要がありますが、仕様表と標準図の準備は、確認審査をスムーズに進める肝のようです。
建築士法では、構造設計図書だけでなく意匠設計図書も保存義務がある設計図書となりますので、確実に保存してください。また、変更などによっては中間・完了検査の時点でも設計図書に変更内容を反映させる必要が生じますのでご注意ください。
金物に関する標準図については、お気軽に構造金物相談所までお問合せください。
コラムが参考になりましたら、↓のボタンをクリックをお願いします。