MPシアプレートはどこで使うと合理的なのかについて整理してみます。

❶MPシアプレートとボルトの比較

MPシアプレートとM20ボルトの鋼板側材2面せん断を比較すると、
短期基準耐力は、
 M20ボルトは40kN(EYTにより計算)
 MPシアプレート102は75kN
程度となり、MPシアプレート102の耐力がかなり高いことが確認できます。

MPシアプレート67では耐力はM20ボルトと同程度ですが、剛性は大きく向上するため、高剛性が必要な場合、MPシアプレートを用いたほうが合理的です。

❷MPシアプレートは材中間部のせん断キーとして使うと有効

シアプレートは剛性・耐力が高いので、1か所で接合できることから、ピン接合に使いやすいです。
例えば、JISブレースを羽子板とボルトで直接シアプレート接合すれば、特注金物なしに、鉄筋ブレース耐力壁が簡易に構成できます。
鋼板挿入ドリフトピン接合の場合、材中間部にスリット加工を設ける必要がありますが、木材加工的にはあまり望ましくありません。そんな場合はシアプレート接合を検討しませんか。

MP木造倉庫のように、シアプレートを複数使用すれば、多雪地域にも対応できる高軸力を負担できるトラス構造も構成できます。

中短期の斜材軸力が150kNを超えるような場合、一枚のG.PLとドリフトピンで接合しようとすると、一般流通材では木材の割裂耐力が厳しい場合があります。

例えば、下図のようにB.PLを介して梁に接合することになりますが、ボルト接合では剛性的にもいまいちです。
そのような場合にはシアプレートなどのせん断キーの利用が有効です。

長いスリット加工をしてドリフトピンを多数打つより、現場施工手間も少なく済みます。

❸最後に

シアプレートは新興木構造のように、木材同士の接合にてスプリットリング的に使うことも可能ですが、その場合スプリットリングを用いたほうがコストも抑えられるので合理的です。

しかし既製品のスプリットリングは輸入品になることに加え、負担できる荷重を考えると、BXカネシンのとしては木同士の接合であれば、ねじとボルトで接合できる『MPねじ接合システム』の採用を推奨します。