添え柱は、以下のような場合に活用できます。
金物工法の場合
主に梁を流通材の範囲で設計したい場合として、
・建物外周部等で長期荷重を大きく処理しつつも、水平構面による引張耐力が作用するケース
・梁幅が105を超えており、プレセッターSUでは梁端部のせん断耐力が不足するケース
・梁を3丁合わせとしたために梁受け金物でドリフトピンが打ち難い、または製作金物となるケース
・ベースセッター柱の軸力負担を少なくしたいケース
在来工法の場合
・梁端部のせん断耐力が不足し、梁勝ちにしたいができない(梁端部が通し柱等)、あるいは梁勝ちでもめり込み耐力が不足するケース
その他の場合
・方杖やトラス架構において斜材のせん断力を処理したいケース

❶添え柱にはどのくらい荷重がかかるか
プレセッターSU等の梁受け金物と併用する場合、梁のせん断剛性と添え柱の梁へのめり込み剛性(稲山のめり込み式等から計算)との比率などから判断します。
梁端部では材端のめり込みとなるため、梁中央部のめり込みより性能が落ちます。
またプレセッターSUでは、めり込み面積の欠損もあるため、めり込み面積の扱いに注意が必要です。梁幅が小さい場合には添え柱の効果はあまり期待できないかもしれません。(ただ、添え柱には梁端部を割裂防止する効果も期待しうるため、実際の支持能力は計算値より高いかもしれません。)

❷座屈耐力について
添え柱で梁端部の軸力を処理することになるため、添え柱の座屈の検討も必要です。
座屈耐力が厳しい場合、柱とビスやボルト接合とすることである程度一体化させ、座屈補剛する方法があります。
ただ、検討が煩雑なため単純に添え柱断面を大きくする等、簡易に設計することを推奨します。

❸おわりに
添え柱を使用することで製作金物を回避できる場合がありますが、意匠上許容できないこともあります。
そのような場合には顎受けの製作金物やLアングルを梁下に流して接合する等して接合部設計することを推奨します 。
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