vol.38 特注の製作金物は、付属品も要注意!

建物を設計していると、納まり、耐力、形状など様々な理由で特注の製作金物を使うことがあります。
そんな時に製作金物と一緒に使うボルト、ナット、ドリフトピンなどの付属品に対しても、ちゃんと注意していますか?
今回は特注の製作金物で使う付属品のポイントをご紹介します。

ボルト類

・ねじサイズ:木造で使われることが多いサイズはM12、M16、M20です。M10以下やM20以上のサイズを使用する際は取寄せ品や特注品になる事が多いです。

・片引き/両引き:接合部の取り合いにより、片引きボルトを使うのか両引きボルトを使うのか構造図に明記があると分かりやすいです。施工手順に影響することもあります。

・全長:ボルトの全長は木材断面、座彫りの有無&深さ、ダブルナットの要否、座金厚など多くの要素から決まります。また細くて長いボルトと使う際は木加工の可否も確認した方が安心です。

・ねじ長さ:全ねじボルトは全てがねじ部ですが、片引きや両引きボルトの場合、ねじ部と軸部があります。構造的な理由などでねじ長さを指定したい場合、既製品のボルトでは対応できない事が多く、特注する必要があります。

・軸太(中ボルト)/軸細:ボルトはねじの製造方法(切削・転造)により、軸太【山径=軸径】と軸細【(山径+谷径)/2=軸径】があります。ABRアンカーや木造住宅で使う六角ボルトは軸細です。

・材質:ボルトの場合、以下のようなボルトの強度区分で表記します。
「JIS B 1180(六角ボルト)に規定する機械的性質の強度区分4.6又は4.8に適合する炭素鋼」
なお強度区分6.8以上を指定する場合は、母材の流通性による手配の可否や、表面処理との組み合わせによる製造可否に注意が必要です。
またボルトの材質を「SS400」のように構造図に記載すると、既製品のボルトが使用できず、特注品になるケースもあります。納期も金額もかかるためご注意ください。

・表面処理(めっき):素地、電気めっき(クロメート、ユニクロ)、溶融亜鉛めっき(どぶめっき)などが一般的で、金物本体と合わせることが多いです。
注意点としてボルトの強度区分10.9には溶融亜鉛めっきは出来ません。素地に現場で錆止め塗装とすることが多いです。

ナット

・ダブルナット:ナットのゆるみ止めとして、ダブルナットを指定したい箇所は構造図へ明記頂けると、ボルトの長さの算出や、金物との干渉など確認がしやすくなります。

・オーバータップ:ボルトとナットを溶融亜鉛めっきにする場合などメッキ厚によりねじの嵌合が悪くなるため、ナットのねじ穴を大きくします。

・材質:ナットの場合、以下のようなボルトの強度区分で表記します。
「JIS B 1181(六角ナット)に規定する機械的性質の強度区分4Tに適合する炭素鋼」
一緒に使うボルトに合わせて強度区分も変えます。

ドリフトピン

・ピン径:木造で使われることが多いサイズはφ12、φ16です。カタログに記載されているドリフトピン以外は基本的に特注品です。

・長さ:標準的には「使用する木材幅-(2~5mm)」の長さとすることが多いです。燃えしろ設計などでピン穴に木栓をする場合は必要長さを確保して短くすることもあります。

・先端のテーパー:ピンを入り易くするため先端を斜めカットした部分で、標準的には3~10mm程度です。実質的には支圧面積にはカウントできないので計算する際には注意が必要です。

・ローレット:ピンの抜け落ち防止のためピン末端にギザギザの加工を施します。特に指定しなくてもローレット加工してあることも多いですが、鉛直方向にピンを打つ場合は抜け落ち防止のため「ローレット有り」とご記載ください。

・材質:プレセッターSUなどの金物工法で使われるドリフトピンは「JIS G 3505 SWRM8 相当」が多く、特注品で作る場合は「SS400」とすることが多いです。ドリフトピンは使用本数も1棟で多量になる事もあり、在庫品と特注品で特に金額差が出やすいので要注意です。

座金

木材とナットの間で使う座金と、金物とナットの間で使う座金の2種類があります。
木材と使う場合はZマークなどの既製品以外は特注品で作ることが多く、金物と使う座金(ワッシャー)は既製の規格品を使うことが多いです。

さいごに

BXカネシンでは付属品を特注する場合の標準的な図面を用意しています。
特注品や付属品に関してご不明な点やご質問ありましたら、お問い合わせください。

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