case16 多雪地域で6m超のスパンを計画する場合の検討例 


荷重条件が厳しい場所で長スパンを飛ばすときは、一工夫する必要があることが多いと思います。
今回は、多雪地域の屋根で6m超のスパンが必要な際に、トラスを用いた場合の検討例をご紹介いたします。

目次
  1. はじめに
  2. 検討方針
  3. 検討結果
  4. おわりに

1. はじめに

一般地域の積雪条件であれば、屋根のスパンは比較的簡単に飛ばしやすいです。
ただ、多雪地域で6m超スパンについては、一般流通材での設計は厳しい場合が多いです。

また積雪量によらず床梁のスパンが6m超の場合も、一般流通材での設計は厳しい場合が多いかと思われます。

今回はトラスを活用して、軒レベルを上弦材、床レベルを下弦材としたトラスの検討例を示します。

2階のプランに多少の制約は生じますが、
 ①中廊下式の計画等、2階以上が個室で1階が大きな共有空間等の場合
 ②下屋がある建物で下屋外壁面直下が大きな室の場合
等の計画では活用しやすいかと思われます。

2. 検討方針

以下に検討方針を示します。


3. 検討結果

以下にトラスの軸力図を示します。150kN以下に収まっており、何とか設計できるかと思われます。

軸力図

スパンが8P程度であれば、高軸力の継手も発生しないので、特注金物を最小限に設計できます。

4. おわりに

実際に設計する場合、大地震後にも鉛直荷重支持能力を損なわないように、十分に安全を見込んでご使用ください。

また、間仕切り壁がある場合、JISブレースの干渉に配慮して、間柱せいを確保して壁をふかすなどの工夫が必要かと思われます。

トラスを含めた構造設計が困難な場合、構造設計事務所のご紹介が可能です。
構造金物相談所までご連絡ください。

Keyphrase:#大スパン #多雪地域 #トラス
コラムで使用した製品:MPシアプレート

コラムの一覧に戻る